「うそうた」とは?

「うそうた」または「うそ歌」とは、アニメソングうたう会が使用していた用語で、アニソン蒐集を目的として総力を結集して作り上げた定本『ED DATA アニメ・ソング資料集(上)/(下)』以降、収集家の間に浸透した偽物の歌を表す用語である。
アニソンにもいろいろあって、バージョン違い、テイク違いなどある訳だが、そういうモノとは一線を画す「偽物」が存在する訳で、その定義は

番組とは無関係に別歌手がうたったモノ

とされている。
最近はそんな事はないと思うが、昔のお子様は、自分でレコードを買うのではなく、お父さん・お母さんにレコードを買ってきてもらうとか誕生プレゼントにもらうとかが一般的で、お子様が「××のレコード」とかお父さん・お母さんに頼んでも、実際に買ってくるお父さん・お母さんには本物と偽物があるなんて事は分からない。で、レコード屋に行って適当に買ってくる訳ですよ、安いのとかを。で、受け取ったお子様が、なんかビミョ〜なジャケのレコードを、それでも期待を込めてプレイヤーにかけてみると流れてくる訳です、本物とは似ても似つかない大抵は下手な歌が(涙
だいたい昭和46年くらいからだと思うが、レコード会社がレコード原盤を制作する代わりに原盤を独占的に使用する権利=原盤権を持つ作品が増えてきた。その結果、それまでの人気作は各社競作=利益の食い合いという構図が無くなったのだが、著作権を有する連中にとっては各社競作してくれた方が儲かるって事で、原盤は使えないけどレコード出しても良いよ、と歌詞・曲の使用自体は認めてしまった。結果、本物と全く別の「うそ歌」が巷に溢れ出てくる事になったのである。そんな訳で本来とは別の意味で「各社競作」となってしまい、困ったのがオリジナル盤を発売しているメーカー=原盤権を持つメーカーで、ジャケットにわざわざ「テレにと同じ歌手」とか「本命盤」とか書かなくてはならなくなったというのは、むしろ笑い話ではなかろうか?
ちなみに、後でコラムに書く予定の「ウルトラマンA」主題歌関連に出てくる某レコード会社は、そういった「うそ歌」を専門に制作し、うそ歌レコードを発売するメーカーに提供していた会社えある。
まぁ、味があって良いって評価もあるけど、俺は嫌いだ。蒐集を始めた初期に、某主題歌の「本物」を見付けるのにどんだけ苦労したと以下省略。

このCD↑は基本「うそ歌」を集めたという珍奇なCD。当地物以外ではほぼ「うそ歌」は聴けないので、こういうCDを買うのも一興?